不動産

不動産業では情報弱者は食い物にされる。

タイトルは若干釣り気味ではありますが、間違ったことは言っていません。

どの商売にしてもそうですが、情報量ではプロにはなかなかかないません。

洋服屋にしろ、カフェの店員にしろ、花屋にしろ、車屋にしろ、みな一般人よりはその道について情報をもっています。

洋服屋なら、体型に合わせた洋服の選び方や、流行の色もしっているでしょう。

カフェの店員なら、コーヒー豆や、美味しい飲み方も知っているでしょう。

花屋なら、季節に合わせたブーケの作り方、車屋ならその車の性能について知っています。

こう考えると、そもそも買う側というのは常に情報弱者と言えるかも知れません。

しかし、不動産については、情報の格差があまりにも大きいのです。

洋服ならばファッション誌が、コーヒーのことなら本はいくらでも出ていますし、花の本、車の本、本に限らずインターネットでもいくらでも調べられます。

でも、不動産についてはどうでしょうか?

もちろん、不動産の本、建築の本、インターネット上にもたくさんの情報があります。

このブログも不動産に関する情報の一つでしょう。

ところが問題なのは、不動産には同じ方法論が通用しないということなのです。

そしてなにより、大きなお金が動く、ということです。

同じ方法論が通用しないとはどういうことか、というと、

例えば同じ100坪の土地であっても、港区六本木の100坪と、千葉の田舎の100坪では土地の活用方法が全く違ってきます。

仮にマンションを建てたとしても、家賃の設定、集客の方法、いや、そもそもどのようなマンションを建てるか、ここから話が違ってきます。

その上、不動産業界というのはまだまだベールに包まれた世界です。

これは、不動産に限らず、保険、法律、税金、といった要するに小難しい世界はなかなか中身が見えてきません。

一般の方にはわかりにくい世界なのです。

わかりにくい世界だからこそ、悪いことが出来ないように専用の法律まであります。

服屋、花屋、カフェ、車屋にその仕事をする上での法律があるでしょうか?

不動産業には、宅地建物取引業法と呼ばれる、不動産業者にだけ適用される法律があるのです。

こういった法律をつくって規制しないといけないほど、一般の人にはわかりにくい世界だということです。

また、不動産業は大きなお金が動く世界です。

だからこそ、慎重にやらなければいけないのですが、それでも不動産業者にうまく言いくるめられてしまう人も居ます。

これは逆説的なのですが、不動産業者だから不動産のプロである。

だから、不動産のことについては嘘は言わない、と思ってしまう人がいるからだと思います。

率直に言っておきますが、「嘘」は言いません。そういうことをすると不動産業者は厳しい罰則がありますので、言えないのです。

ただし、言わなくてもいいことは言いません。

厳密に言うと、どうしても言わなきゃいけないことというのは法律で決まっていて、黙っていたら罰則を受けるというのも決まっています。

しかし、例えば家賃相場やリフォームにかかる金額などは、あくまでも自由な値段設定ですから、いくらでもごまかしがききます。

いつもなら不動産業者を信じない皆さんがなぜか、ウマそうな話だな、と思ったところで不動産業者を信じ始めてしまいます。

当然ながら、我々もプロですから営業手法がたくさんあるわけです。

全てが悪とは言いませんが、少しだけ考えなおす余裕はもったほうがいいでしょう。

特にキモに命じていただきたいのは、不動産の活用は基本オーダーメイドだということです。

周辺の家賃相場、今後の都市計画、人口の統計、建物の種類、不動産の価格を決定する項目は多岐にわたり、非常に複雑で、その上10数年先を見据えなければなりません。

しかしです。

なぜか、自分の土地の価値について無頓着な人が多いです。

自分の土地があるということは、それだけで事業を始められる、ということです。

不動産屋にまかせなくても、銀行からお金を借りてアパートを建てて、自分で入居者を募集して、家賃や建物の管理をすれば立派に事業になります。

しかも、自分で賃貸管理(客付け含め)をする場合は、宅地建物取引業法は適用外ですから、法律に何も違反しません。

そこまで考えることが出来れば、周辺家賃相場、建物の耐久年数、今後の都市計画、このあたりが気になるはずです。

というか、普段から少しは気にかけておきましょう。

気にしていないと、営業マンに対抗出来ません。

こちらが質問して、真摯に的確に答えてくれる営業マンが信頼できる営業マンの指標ですが、その判断すらままなりません。

残念ながら、いまはまだ情報弱者が食い物にされていることが多々あります。

しかし、世代が交代してこれからは、私達のようにインターネットから簡単に情報を入手する世代が相続などを経て地主となります。

そうなった時に、おそらくいま、情報弱者を食い物にしているビジネスモデルを展開しているところは非常にピンチに陥ることでしょう。

この先生きのこれるのは、結局のところ信頼出来る人だけ。

インターネットの発達が、逆に人への依存度を高めていると思います。

私が先ほど、土地があれば事業が出来る、と話しましたが、あれを全部自分でやるのは大変ですよね?

無論、全部自分でやるのが一番稼ぎが良いです。うまくやれば。

でも、かなり面倒ですよね。

そこを、お金を払ってもいいからやってほしい、と頼まれる人になれるかどうか、今後の不動産業者は自ら持っている知識を惜しげも無く披露して、信頼できる人にならなければ生き残っていけないでしょう。

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