コンテナ投資が流行しているようなのでまとめておきます。
コンテナは以下の画像みたいなやつですね。
このコンテナを土地に設置して貸し出す、というのがコンテナ貸し出し事業です。
一番気になるのは儲かるのか?ということだと思います。
コンテナは、利回りは悪くありませんが実入りは少ないです。
初期投資額
例えば100坪の土地をコンテナ用地にしたとします。
形にもよりますが、大体8~9基ほどのコンテナを設置できます。
コンテナ一つの価格が、設置料を含めて大体100万くらいです。
そうなると、コンテナを購入するだけで900万の投資が必要です。
さらに、コンテナを設置するために敷地そのものを整地する必要があります。
どのレベルまでやるかによりますが、まあ100万くらいを見積もりましょう。
そうすると、100坪で1,000万の初期投資が必要ということになります。
初期投資額:1,000万
年間売り上げ
では、コンテナ一基あたりどのくらいの売り上げを稼ぐのか。
これまた場所によりますが、コンテナ設置する場所は大抵不便な場所です。
ほかに利用方法がないからコンテナにするわけですからね。
ということで、大体35,000円くらいにしておきましょう。
ということで、9基設置したとして100%の稼働率で月に315,000円の売り上げになります。
しかし100%の稼働率ということはまずありえないでしょうから、70%の稼働率としておきましょう。
そうすると、315,000円の70%ですから、220,500円が月の売り上げということになります。
もちろん、最初の半年~1年は稼働率はここまでにならないとは思いますが、計算を簡単にするためです。
月に220,500円なので、12か月で2,646,000円です。
利回りの計算
初期投資額が1,000万でしたね。
年間で2,646,000円の売り上げがあるので、2,646,000÷10,000,000=0.2646 で約26%ということになります。
利回りがよくわからない、という方もいると思いますので説明します。
簡単にいえば、投資額を何年で回収出来るかという数値です。
利回りが10%であれば、100%に10年かかります。
利回りが25%であれば、100%になるには4年かかります。
利回りが50%であれば、100%になるには2年かかります。
というような感じで利回りを覚えておいてください。
今回は利回り26%ですので、投資額回収までには4年かからないという計算です。
投資額を回収したあとはほぼすべて利益になりますので、5年目以降は毎年2,646,000円の収入になります。
そうは問屋が卸さない
と、こんな感じでいろいろな投資本に書いてあるのかなぁと思いますが、そんなうまくいくわけありません。
まず、上記で計算した26%ですが、これは「表面利回り」というもので、理論上の計算に過ぎません。
実際にコンテナを貸し出すとしたら、他に費用が発生するはずです。
ざっと思いつくだけでも、
・修繕費(壊れたら修理しますし、ペンキの塗り直しも必要です)
・広告宣伝費(集客はどうしますか?看板ですか?インターネットですか?)
・保守管理費(草むしりや、不法投棄の対応はどうしますか?)
・督促管理(振り込みが遅れた場合はどうしますか?)
というようなものが挙げられます。
これらにかかる費用は、実費だけでなく人件費も考えなくてはなりません。
あなた自身がやるとしても、人件費として計算に入れておいたほうがいいでしょう。
このように考えると、利回りは15%を切ると考えたほうがいいでしょう。
これを「実質利回り」と呼びます。
つまり、初期投資額を回収するためには、6年以上はかかるということです。
それでもほかの事業に比べればかなり短いほうだとは思います。
どうやって稼働率を上げる?
最大の問題は集客をどうするか?です。
現状では、借り手(一般客)の半分以上は実際の貸しコンテナを見て連絡してきます。
また、一度借りるとなかなか解約しないというのもコンテナ事業の良いところです。
しかし、コンテナ事業はまだ新しい事業であり理解している不動産屋も少ないです。
また、通常の賃貸物件とは違い不動産屋が仲介してくれるわけでもありません。
もし自分で運営する場合は、自分で集客し、自分で料金管理もしなくてはならないのです。
投資を考える場合、ほとんどの人はお金の問題にだけ着目します。
しかし本来は、事業として考えなくてはなりません。
自分でやろうとするならば、この事業を「運営」しなくてはならないのです。
運営はプロに任せる?
ということで、運営はプロに任せるのが一般的になるかと思います。
つまり、運営管理をお金の力で解決。アウトソーシングです。
無論、自分でやるということであればそれが一番実入りは大きくなるので、お金でアウトソーシングするかどうかは事業判断になります。
稼働率70%
年間売上2,646,000円
表面利回り26.4%
これが、最初に出した数字でした。
そして、実質利回りになると15%でした。
年間で費用として100万くらいを見込んでいます。
実際にここまでかかることはないと思いますので、もう少し利回りはよくなると思います。
自分でやっても年間費用として100万くらいかかるのであれば、プロに100万払って任せたほうがよいでしょう。
支払い督促の電話だとか、クレーム対応、契約対応などすべて考えると100万でも安いくらいです。
あとは、その管理会社との交渉です。
稼働率が低いうちはどうするのか?
稼働率があがったらどうするのか?
設置費用は誰が持つのか?
仮に土地をほかに使いたくなったらどうするのか?
などなど、交渉する部分はいくらでもあります。
なかには、月々の地代のみをもらって丸投げ、というスタイルもあります。
その場合は、土地を持っていれば初期投資額はほとんどかかりませんので、リスクはかなり少なくなります。
ただし、どれだけ稼働がよくても入ってくる金額は一定の額です。
どれを選ぶかは環境にもよりますし、それぞれの判断にもよります。
土地を購入したら割に合わない?
しかし、土地を購入して始める場合はどうでしょうか?
仮に100坪の土地を3,000万で購入した場合、初期投資が4,000万円になります。
年間の売り上げが2,646,000円ですから、
2,646,000÷40,000,000=0.066
つまり、6%台にまで落ちます。
これは、初期投資額を回収するために16年以上かかるということです。
しかも、これは「表面利回り」で計算してます。
費用を年間100万見込んだとしたら、年間の利益見込みが1,646,000円。
1,646,000÷40,000,000=0.041
4%になりました。
初期投資回収までに25年かかるという計算です。
となると、リスクを背負ってまでやるのはどうか、と思ってしまいますね。
まとめ
投資は事業ですので、事業としてちゃんと考えないとうまくいきません。
コンテナを出せる土地、はどんどん無くなってきてますが、焦らずに事業判断をしっかりとして投資をしましょう。
今回の計算はかなりざっくりしたものなので、コンテナ事業をやっている不動産屋を探して見積もりなどをちゃんともらってください。
デメリットもしっかりと把握したうえで、事業判断することが大事です。