ブログ

仕事で死ぬなんて馬鹿げてる。でも、疲れてると死にたくなるんです。

残業自慢、社畜自慢がちょっと流行していたので、流行には乗り遅れましたが、私も書きたいことがあります。

もしあなたの周りに、本当に残業ばっかりしていて寝てない人がいたら、助けてあげて下さい。
よく、残業が辛くて自殺、というニュースが流れたりしますが、あれば残業が辛いのではなく、寝てないと自殺したくなるのです。

そんなバカな、と思う方もたくさん居るでしょう。
思い出すのも結構つらい時期ですが、残業自慢を読んでいたら思い出しました。
実際に私が自殺したくなった経験者なのでここに書き記しておきます。

私はかつて漫画喫茶で働いておりました。
まだ若いこともあり、仕事で頂点目指すことが全て、と思っていた時期です。
早く出世したくて、未経験でも店長職になれるという文言に惹かれて転職しました。
いま思えば、未経験で店長職というのはお察し、という感じですが。

ご存知の通り、漫画喫茶は基本的に24時間営業です。
私が勤務していたのは東京23区の中心部でしたから、一日それなりに忙しい店舗でした。
しかもその頃はまだ漫画喫茶業界が元気な頃で、漫画喫茶業界大手のアプレシオは上場し、漫画喫茶を運営する会社は我も続けと意気込んでいる時期でした(後に風営法改正の煽りも受け、アプレシオは上場廃止となります)

そんな夢を持った職場でしたから、その中でいかに早く出世するかという競争の世界です。
私のような未経験でも、店長職になってしまいましたし、私と同時期に入って少し経験のあった方は、エリアマネージャーになっていました。
凄まじいスピード出世です(ただし年収は260万程度でした)

そうそう。その頃は漫画喫茶よりもネットカフェという呼び方が割りと浸透していましたね。
いかにハイスペックのパソコンを導入して、オンラインゲームユーザーを取り込むか、という勝負をしていた気がします。
私はオンラインゲーム素人でしたので、勉強に必死でした。

いまはガンホーといえばパズドラだと思いますが、昔はオンラインゲームで有名な会社でした。
オンラインゲームユーザーは長時間遊んでくれますので、このユーザー層をいかに取り込むかという戦いをしておりました。

そんな漫画喫茶業界が盛り上がってた時期に、私は店長として働いていたのです。
漫画喫茶に限らず、アルバイトを中心とするサービス業にはよくあることだと思いますが、基本的に店舗には一人か二人の社員しかおりません。
私が店長として勤務していた店舗もご多分に漏れず、社員は私ひとりだけでした。

社員がひとりだけであっても、しっかりと組織化されているサービス業であれば、横とたての機能が連携し、責任は分散されていると思います。

しかし、私の勤務していた会社は社員数わずか20名(本部含め)の会社だったので、店のことについては全て店長責任です。
他の店長に周囲をフォローする余裕なんぞありません。
エリアマネージャーも店長兼任ですので、フォローもあまり出来ません。

サービス業で、しかも24時間営業ですから、シフト制の仕事です。
このようなサービス業でシフト制の店舗の多くは、バイトが休むと社員が勤務するということが起こりえます。
無論、アルバイトが休む場合は代わりを見つける、というのがルールではありますが、代わりが見つからなくても休まなくてはいけない用事があれば休むわけで、そういう場合は社員が穴埋めをしなくてはなりません。

予めわかっているシフトならばまだマシですが、突然具合が悪くなった場合には休日を返上することもよくあることです。
当時は、休みたければ代わりを見つけるのが当然、と考えていましたが、色々な会社を経験し思うことは、バイトが休んだら回らなくなる店なんて、企業のリスク管理が出来てないってことだと思っています。

ましてや、それを一人の社員が穴埋めするなどということは、属人的にもほどがあります。
サービス業ではいまも往々にしてこのようなことが起きているとは思いますが。

上記のような環境の中で私は働いておりましたが、ある時アルバイトが一斉に退職してしまい、どうにも人数が足りないという事態が起こりました。
退職理由は会社の方針が気に入らないということで、私が赴任する前にアルバイトの中で決まっていたことのようです。

そのような事態に陥り、私は20日間休むこと無く働き続けました。
漫画喫茶に寝泊まりして、たまに帰っても仮眠をとってすぐに会社に戻るという生活でした。
20日間休むことなく昼も夜もよくわからない状態で働き、その後も週に一回は休めるようになったものの、夜勤と昼勤が入り混じった勤務は、身体のリズムをおかしくし、寝不足の状態が続きました。

そんな状態が3ヶ月程続いた頃でしょうか。
夜勤明けの新宿駅で、京王線を待っていた時です。
電車がホームに入ってくる時にこう思いました。

「この電車に飛び込んだら、この辛さから脱出出来るのだろうか」

その時は、思っただけで飛び込むまでには至りませんでした。
この日は夜勤明けでものすごく久しぶりに一日時間が空き、ゆっくり眠れたことも良かったと思うのですが、久しぶりに休養を鶏思ったことは、「何のために働いているのか」ということでした。

私は、仕事で死ぬなんてバカだろう、と常々思っているタイプですし、どうにでも生きていけるんだからそんなに仕事のことで悩んでもしょうがないでしょ、と思うタイプです。

その私ですら、慢性的な寝不足と疲れから、上記のような自殺願望を抱いていしまう。
これは本当に恐ろしいことだと思いました。

私は、このことがあってすぐに会社を辞める決意をし、無事に退職しました。

生きるために、人生をより良くするために仕事をしているのであって、死ぬために仕事をしているわけではありません。
そんなことはわかっていると思うのですが、寝不足が続くと頭が本当に何も考えられなくなるのです。
仕事が辛いから死にたいとか、そういう考えではなくて、いますぐ楽になりたいという願望が自殺に結びつくのかも知れません。

だから、もし、いまあなたの周りに本当に残業ばっかり、仕事ばっかりでつらそうな人がいたら是非声をかけてあげてほしいです。

仕事がなくなっても、そうそう死んだりはしません。
しかし、そういった状況に陥ってる人は、死が隣り合わせです。

そんな状況から一刻もはやく脱出させてあげてほしいのです。
これは、自分で抜けだそうと思ってもそうそう抜け出せるものではないと思います。

私は、仕事なんていくらでもある、と思ってましたし、どうにでも生きていけると思ってました。
しかし、例えば上場企業に入って頑張っているような人はどうでしょうか?
そこを辞める、というのは中々に勇気がいるでしょう。
辛いということを表に出すことを、情けないと思ってしまう人もいるでしょう。

だからなかなか自分からは言い出せないと思います。
あなたの周りに、いつも寝不足で疲れ気味の人は居ないでしょうか?
声をかけてあげてください。一緒に解決策を探ってあげて欲しいです。

-ブログ

Copyright© むにゃむにゃ言う , 2024 All Rights Reserved.